蔵前 水の館 見学レポート 巨大な合流式幹線下水道
2019年9月6日、蔵前水の館に見学に行ってきました。
きっかけは、浅草橋に複数回訪問する用事があり、ついでにどこかの観光スポットを巡りたいと思って検索したところ見つかったことで、興味を持ちました。
ぼくたちが日常生活で出す、下水、排水はいったいどのように処理されているのか、そのことを体感できるよい機会でした。
蔵前 水の館見学は予約が必要
そこに行けば、すぐに見学できると思っていたら、予約制でした。
しかも、電話で1週間先、ネットで10日先の予約になり、ネットで予約状況を見てみると1ヶ月先まで埋まっていました。
7月18日に予約サイトを見て、9月6日の午後を部が取れました。
蔵前水の館 外観
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東京都下水道局 北部下水道事務所の横にあります。
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蔵前の地名にちなんで、外見は蔵です。
蔵前という地名は、江戸幕府の米蔵だったことが由来だそうです。
この地下30mに蔵前ポンプ所があります。
蔵前国技館の跡地に造られたそうです。
案内人の方が1名で、見学者はぼく1人でマンツーマンでの見学でした。
蔵前水の館 館内
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階段で下っていくと展示室があります。
2本の大きい管がむき出しになっています。
大きい方が雨水用、小さい方が下水用です。
雨水の方が数倍大きい管であることを知って驚きました。

幹線下水道が地下30mにあり、集まった下水を、らせん式の管を通して合流させます。
高度差は14mあり、直接落下させると、自然界での滝のように騒音が激しくなります。
しかし、この技術によって、幹線下水道に静かに下水を流入させることができます。
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さらに階段を下に降りて、浅草幹線下水道を見ることができました。
幹線下水道を見ることができる施設は23区内でここだけだそうです。
実際に見るとかなり大きい管で圧倒されました。
流れている水は下水です。
思っていたほどの匂いはなく、固形物も少ないです。
内径6.25mと巨大です。
この下水道は合流式といい、雨水も同じ管に集まるようになっています。
先程のらせん式の技術により、下水が静かに幹線に合流しているが見えました。
下水は画像の下の方向にあるポンプ室へ向かって流れます。
そのあと下水はポンプで圧送されて左側に見える小さな管の中を、画像の上の方向にある三河島水再生センターへ流れます。
合流式下水道とは
当日は晴天だったので、雨水は流れていませんでした。
下水だけだとこれくらいの水位ですが、大雨のときはかなりの水位になるそうです。
このように巨大な管があるおかげで、地上の浸水を防止しています。
再生センターへ流す許容量を超えた雨水は、下水と一緒に隅田川へ放流されます。
このように下水と雨水を同じ管に流す方式を合流式といいます。
東京都は東京オリンピック前、比較的古くから下水道を整備したため、合流式下水道を使用しています。
日本全国では191都市が合流式を採用しています。
合流式は低コスト、短期間で整備でき、都市の下水処理と浸水対策を同時に満たしてきました。
実際に、都市部の川や、海は、ぼくが子供の頃に比べてかなりきれいになりました。
しかし、大雨のときには、未処理の下水が川、海に放流されてしまうという課題が残っています。
国土交通省は2023年までに、分流式並みの水質に改善するよう計画を立てています。
まとめ
蔵前 水の館を見学して、実際の巨大な幹線下水道を見ることができました。
そして合流式下水道の原理を理解することができました。
縦横無尽に張り巡らされた下水道のシステムのおかげで、河川、海の浄化が保たれていることが実感できました。
また、雨水を下水と同時に処理することで都心の浸水を防いでいるということを初めて知りました。
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2019年9月6日、蔵前水の館に見学に行ってきました。
内径6.25mと巨大な合流式下水道を間近に見学することができ、貴重な体験でした。
そのレポートの第2報です。
今回は50年が経過した下水道をどのようにメンテナンスしているのかについてまとめます。
マンホールとは

展示場には大正時代のマンホールが展示されています。
マンホールの語源は、man(人) hole(穴)です。
下水道をメンテナンスするときに人が出入りするための穴です。
マンホールには鉄製の直径60cmのふたがかぶさっています。
ふたには滑り止めのための溝があります。
同時に地域の特色を持った模様が彫られています。
マンホールカードとは

マンホールのふたの模様のカードが、マンホールカードとして、全国454団体539種類のカードが発行されています。
東京都23区のマンホールは、さくら、ゆりかもめ、いちょうのデザインになっています。
当施設の見学記念に1枚もらいました。
熱心なコレクターもいるそうで、下水道のPRに役立っている様です。
下水道の老朽化対策

東京都の下水道は東京オリンピック前の50年前に造られたものが多く、耐用年数を迎えています。
SPR工法とは、管の内側に塩化ビニール製の帯をらせん状に巻きつける技術です。
この技術を用いると既存の下水道の流れを止めることなく、新設と同様の強度に復旧することが可能です。
下水道の耐震化

過去の地震では、下水管が破損して使用できなくなったり、液状化でマンホールが道路上に浮き上がるなどの被害が発生しました。
この対策として、開削工法ではなく、既設のマンホールを利用して、マンホールと下水管路の接合部を耐震化する工法が開発され、重要施設から優先的に対策が進められています。
まとめ
蔵前 水の館を見学して、実際の巨大な幹線下水道を見ただけでなく、下水道のメンテナンスについて学ぶことができました。
毎日使用している公共のインフラに関心を持つことは、政治、行政に興味を持つことにつながると実感しました。